EVT治療ではよく耳にする「ランデブー」テクニック。
どんなテクニックか忘れてしまいがちです。
実際に私も「ん?」となって2,30回程調べなおしたんじゃないかって思います。
何回でもここで再確認して頂けたらと思ってまとめます!!
ランデブーとは?
まず初めに「ランデブー」を一言で解説します。
その後にランデブーについて少し深堀りの説明をしようと思います。
ポイント
ランデブーとは
閉塞部位を通過させたレトロのマイクロカテーテルとアンテのマイクロカテーテルの2つをワイヤーで繋げるテクニック
病変部をレトロからマイクロカテーテルで通過させると、病変部にマイクロカテーテルという管が存在することになります。
ワイヤー単体では病変を通過できなくても、病変にある管にワイヤーを入れられれば病変をワイヤー通過ができたことになります。
ランデブーするには「レトロ」が必要!!
まず初めにランデブー(rendezvous)をするにはレトロアプローチが必要です。
アプローチには2種類あり、順行性の事を言うアンテアプローチと逆行性のことを言うレトロアプローチがあります。
閉塞病変部に対して血液の流れる向きと同じ方向から治療をするのがアンテアプローチ。
閉塞病変部に対して血液の流れる向きに逆らって治療をするのがレトロアプローチ。
両方向からアプローチすることで閉塞病変部を通過することがより期待できます。
両方向からアプローチすることを”Bi-directional”と言い、このバイダイレクショナルによって治療成績が向上しました。アンテアプローチのみでは治療が成功しなかった症例が今では成功に繋がっているようです。
ポイント
順行性アプローチが「アンテ」
逆行性アプローチが「レトロ」
ランデブーはアンテとレトロをワイヤーで交通させるテクニックなのでレトロが必要になります。
ほぼ毎回使う「マイクロカテーテル」
アンテもレトロもですが、閉塞病変をワイヤーを通過させるには必ずと言ってもいいほど「マイクロカテーテル」というデバイスを用います。
マイクロカテーテルがあることによってEVTでもPCIでも治療の幅が広がります。
マイクロカテーテルとは一言で言うなら「ワイヤー1本しか入らないほどの細い管」です。
それほどの細い管であっても実は多彩な使用用途があります。
ポイント
・選択的に血管の造影
・薬剤注入
・ワイヤー交換
・ワイヤリング時のサポート
病変はアンテ側よりもレトロ側の方が柔らかいことが多く、ワイヤリングをするのにレトロからの方がしやすいことがあります。
ですので、レトロからマイクロカテーテルのバックアップのもと、ワイヤーを進めることが手技成功に繋がります。
これはレトロからのみではなく、アンテからも同じように使用できます。
アンテアプローチでも狭窄、閉塞が強ければマイクロカテーテルのバックアップのもと閉塞部を通過することをTryします。
アンテだけではうまくいかない時にレトロをTryする
閉塞病変はアンテからのアプローチのみではうまくいかない事があります。
閉塞病変内を迷走し、いつの間にか血管の中膜と外膜の間にガイドワイヤーが迷入してしまう事が少なくないです。そんな時にレトロアプローチをTryします。
逆行性、レトロからワイヤーを進めることで2方向性で病変通過をTryできます。
このレトロワイヤーを試行錯誤ワイヤリングして病変部に対してアンテ側に通過させます。
この時に血管の内腔を通過していることが理想ですが、血管穿孔していなければ閉塞病変部で偽腔(サブ:subintimal)を通過していても許容するDrもいます。
ポイント
閉塞病変部を通過するのにレトロからアプローチする
逆行性アプローチがされるようになってから治療成績が向上していることもあり、レトロからのワイヤリングは閉塞病変の通過に有用とされています。
まとめ
ランデブーとはガイドワイヤーをアンテのマイクロへ、またはその逆に通過させること。
一言で言えば簡単ですが、その背景にはマイクロカテーテルのことやレトロアプローチのこと。いくつかの要素がベースにあります。
覚えておくとDrの手技の理解に繋がります。
主にランデブーのことについて再確認ができればと思います。
下肢虚血の第一歩