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R2Pシステムとは? 上肢から足の治療を。

今回は上肢から足への治療を可能にするデバイス「R2P」をざっくり解説します。

IA(iliac artery:腸骨動脈)に対してカテーテル治療を行う時に使います。

上肢から治療することが可能なので狭窄に対して順行性に治療できます。
必ずしもではありませんが、患者さんも治療後のベッド上安静がないというメリットなどがあります。

しかし、上肢からの治療となるのでいくつかの制限がありますのでそういった点も踏まえてまとめます。

・R2Pシステムとは

R2Pとは末梢動脈疾患(PAD)の主に下肢の治療に対して上肢からカテーテル治療を可能にするTEUMO株式会社のデバイスです。

従来の足の治療では、、、
右足の治療の時、右の鼠径部から穿刺してアプローチしたり、場合によっては左鼠径部に穿刺して腸骨動脈を逆行し、右の腸骨動脈に進むことで右足の治療をするといったアプローチだったりと足への穿刺アプローチしかありませんでした。

しかし、「テルモ株式会社」がガイディングカテーテルやバルーン、ステントなど十分な長さのものを発売したことによって腸骨動脈領域に限ってですが、上肢からも治療を行うことができるようになりました。

メモ

腸骨動脈に限り、上肢からの下肢の治療が可能になった

・十分なカテーテルの長さ

上肢から足の治療をするには一つ大きな問題があります。

それは 「穿刺部位から足まで遠い」 という問題です。

もちろん、上腕動脈からアプローチすれば距離も短くなりますが、可能であれば合併症が少ない手首からのアプローチを検討したいのです。
ですが、手首からアプローチすると足の血管まではだいぶ遠くなります。

上肢からですと腕を逆行し、弓部大動脈から下行大動脈に入り、腸骨動脈まで進みます。
なので少なくとも腕の2本分くらいはカテーテルデバイスの長さが欲しいです。


従来のデバイス達では長くとも150cm程度でやや長さとしては不十分でした。
そこで「テルモ」さんがカテーテル有効長が200cmのステントやバルーン、ガイディングカテーテルやガイディングシースでは150cm程度の物を発売しています。

この十分な長さのデバイスによって、手首からのアプローチにも対応できるようになりました。
デバイスの長さの事を一般的に”有効長”と言います。

また、この長い有効長のおかげで患者さんの身長にもよりますがSFAの治療も可能な場合もあります!!

このような十分な有効長を有したシステムを総称して「R2Pシステム」などと言います。

メモ

上肢(手首)アプローチでも十分届くカテーテルデバイスの長さが登場した
デバイス制限はあるが、SFAの治療も可能

・ガイディングシース,ガイディングカテーテル

カテーテル治療なので当然ながらシースやカテーテルが必要です。

R2Pシステムでも十分な長さの該当するものがあります。

・ガイディングカテーテルでは「R2P SlenGuide」(テルモHP リンク
・ガイディングシースでは「R2P DestinationSlender」(テルモ HPリンク


ガイディングカテーテルは7Frとなっており、内径は2.2mm
ガイディングシースは6Frとなっています。

注意

” Fr ” 表記について 
カテーテルは外径表記
シースは内径表記



もう少し詳細に記載すると
・ガイディングカテーテル 先端外径 :2.43mm 内径:2.2mm
・ガイディングシース   外径:2.5mm    内径:2.2mm
と外箱に記載されています。

どちらを使うかは医師の判断次第です。

・有効長200cmの「バルーン」

R2Pシステムにあるバルーンは2種類あります。

・0.018inchガイドワイヤー対応の「R2P Crosstella RX」
・0.035inchガイドワイヤー対応の「R2P Metacross RX」

「Crosstella」は18ワイヤーまでなので35ワイヤーでは使用できません。
「Metacross」は35ワイヤーまで対応可能になっています。

「Crosstella」のサイズバリエーション「3~6mm」
「Metacross」のサイズバリエーション「3~8mm」

バルーン長も各々バリエーションが違います。
詳細はそれぞれのリンクへ
「Crosstella」のHPリンク
「Metacross」のHPリンク

腸骨動脈、特に総腸骨動脈(CIA)の血管径は大きいことが多く、Metacrossを使用する事の方が多い印象です。

また、どちらもモノレールタイプのバルーンとなっています。

・有効長200cmの「ステント:R2P MISAGO」

R2Pシステムのステントには「R2P MISAGO」があります。
有効長が200cmなので手首からのアプローチでも届きます。

径は6~10mmまでのサイズバリエーションがあります。
長さは径によってまちまちですがステント長は40~150mmまであります。
詳細はテルモHPリンクを確認ください。

注意としてMISAGOには有効長が135cmの短いものもがあるので、出し間違えが無いようにします。

ポイント

ステントはR2Pシステム用の「R2P MISAGO」有効長200cm
有効長135cmの「MISAGO」もあるので注意





・上肢アプローチだとCIAのProximalがズレやすい

余談にはなりますが、ステントはカテーテルの先端側から拡張します。
ですのでステントのProximalがズレやすくなってしまいます。
CIAジャストに置きたかったが、少しDistalになってしまったり、少しCIAから飛び出てしまったりすることがあります。
分岐部ジャストに合わせる時には注意しながら留置しなければいけません。

R2P 分岐部

医師によってはしっかりジャストに置きたい時は鼠径部からアプローチし直して、CIA起部に逆行性でステントを留置することがあります。
当然ながら、鼠径にシースかカテーテルを挿入することになるので術後の安静時間が長くなってしまいます。
また、出血性の合併症などのリスクも上がってしまいます。

医師のストラテジーにしっかり付いていくように心掛けます。

・IVUSの落とし穴

IVUSの有効長も重要です。
IVUSの種類によっては有効長が短く、病変の観察ができないことがあります。

例えばOpticross(Boston)やAltaview(Terumo)では有効長が135cm程度程度です。
この長さでは不十分で病変が見れないことがあります。

R2Pの「SlenGuide:150cm」、「DestinationSlender:149cm」では長さが足りず、使用できません。

それぞれの短いタイプ119cmと120cmであれば使用可能です。
ただし、十分な長さがあるNavifocus WR(Terumo)やEagle Eye Platinum ST(Philips)などを使います。
150cmの有効長を持つので、上肢アプローチの時ではこういった長いものを推奨します。

治療対象部位、使用するガイディングシース、ガイディングカテーテルに合わせてIVUSの使用を検討します。
”△”は組み合わせによっては見える時も見えない時もあります。
最初から有効長の長いものを選ぶことがベターかと思います。

【EVT】アプローチ方法 山越え?表パン?

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