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AISとは? 急性虚血性脳卒中とは?

今回は ”AIS” Acute Ischemic Stroke 「急性虚血性脳卒中」についてまとめます。


脳虚血は脳への不可逆的ダメージになります。
その結果、麻痺が生じてしまうので生活に支障が起きます。
患者さんの自立した生活のためにも早期の治療が必要になります。

コメディカルも積極的に治療に参加して良好な予後を目指しましょう!!

・AISとは

AISとは(Acute Ischemic Stroke)急性虚血性脳卒中と訳され、脳のある部位の血流が突然失い、その結果として神経機能が失われることです。
主な原因が血栓による脳血管の閉塞です。

頻度として多いのが心房細動によって心臓内で血栓ができ、脳まで流れることで閉塞を来すケースです。

重ね重ねにはなりますが、急な閉塞で急な症状の発症となるのでできるだけ早い治療が必要になります。


ここからAISに関わる疾患、治療方法についてまとめます。

・脳梗塞とは

脳梗塞とは脳動脈の狭窄や閉塞によって、灌流域の虚血が起きて脳組織の壊死が起きてしまった状態を言います。

「脳動脈の狭窄や閉塞によって」と書きましたが、この原因の一つが血栓によるものです。
血栓が脳血流を遮断させてしまって、脳組織の栄養不足や酸素不足をもたらします。
その結果、脳組織の壊死となってしまいます。

壊死してしまった脳細胞によって症状が異なります。
・運動を司る細胞がやられれば運動麻痺が起き、
・感覚を司る細胞がやられれば感覚麻痺、
・発語を司る細胞がやられれば失語。
こういった様々な症状が見られます。

逆を言えば、症状から梗塞領域、閉塞血管の場所を推定することもできます。

ポイント

脳虚血による脳細胞の壊死が起きてしまった状態をいう
症状から壊死の領域を推定はできる



ちなみに、寝たきりの原因第1位となっています。

・脳卒中とは

脳卒中は血管の閉塞・破綻などによって、神経障害症状が発症した状態の総称をいいます。
主な原因が「血管の閉塞」と「血管が破れる」に大別できます。

血管の閉塞した時の疾患例としては

  • 脳血栓症
  • 脳塞栓症
  • 一過性脳虚血症

などがあります。


血管が破れた時の疾患例としては

  • 脳出血
  • くも膜下出血

などがあります。

脳出血とくも膜下出血の違いは、
脳出血は脳血管が破れ、脳内から脳を破壊するもののイメージで、
くも膜下出血は脳表の血管が瘤などが破れて出血し、くも膜下腔から圧迫するイメージです。

・脳塞栓とは 

脳塞栓とは心臓や頸動脈などから血栓やプラークが流れてきて、脳の血管を閉塞、狭窄する事を言います。
その結果、上記した脳梗塞や脳卒中となります。

心臓病や、動脈硬化などが原因で血栓やプラークが脳へ飛びます。

急な失語や構音障害、意識障害、麻痺などを引き起こします。
そのままだと、回復しなくなるので(不可逆という)急いで治療をしなげればいけません。

脳梗塞の種類

アテローム血栓性脳梗塞

血管そのものが原因。動脈硬化によって血管が狭くなることが閉塞のきっかけになってしまう。

血栓やプラークで容易に閉塞したり、プラークが破れることで血栓ができてしまったり、狭窄するので血流が滞ってしまったりして脳梗塞が起きてしまう。

心原性脳塞栓症

心房細動(Af)が主因として血栓ができ、血流に乗って脳血管で詰まってしまう。
突然詰まるので脳血栓回収が必要となる。

ラクナ梗塞

脳内の細い血管(穿通枝)が閉塞するもの
無症状のこともあるが、軽度の運動・感覚・構音障害がみられることもある

・AIS治療

t-PA 療法(血栓溶解療法)

適応患者に限って・・・絶対的優先療法

これは詰まった血栓を溶かす治療方法です。
(r)t-PA(recombinant)tissue-type plasminogen activatorの英語略です。

静脈からアルテプラーゼを 0.6mg/kg で投与することが至適容量とされている。
適応としては発症から4.5時間以内の虚血性脳血管障害患者に限る。
(静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第三版 2019 3月 よりhttps://www.jsts.gr.jp/img/rt-PA03.pdf

また、発症から4.5 時間を超える場合や非外傷性頭蓋内出血の既往がある場合、胸部大動脈解離が強く疑われる場合、CT や MRI での広汎な早期虚血性変化の存在など、一つでも当てはまれば、静注血栓溶解療は推奨されないです。


しかし、適応があれば一番推奨される治療方法なのでしっかりと精査が必要です。
推奨レベルは”A”で、エビデンスレベルも”高”となっています。


ポイント

t-PAまとめ

  • 4.5時間以内の発症に適応
  • 投与量 0.6mg/kg で静注
  • 除外項目に一つでも当てはまると推奨されなくなる
  • 適応内であれば絶対的推奨(エビデンスレベル高)


ちなみに、アルテプラーゼの投与方法としては
0.6mg/kgのうち10%をボーラスし、残りを1時間で静脈投与します。

0.6mg/kg(34.8万単位)なので70kgの患者であれば42mg(2,436万単位)必要になります。
製品毎にある付属の溶解液で投与液を作成し、投与方法に従って静注します。

血栓回収療法

機械的血栓回収療法や経皮経管的血栓回収療法など様々な言い方をする事もありますが、
つまりは、血栓回収療法です。

カテーテルを使用して、血栓を回収する治療となっています。

適応としては発症から8時間以内の虚血性脳梗塞となっています。
発症から4.5時間以内であれば、t-PAを行い、続けて血栓回収療法を行います。


t-PAのみでは不十分な事もあるので、治療を併用して行う事も多々あります。
また、t-PA開始して造影検査をすると再開通しているケースもあります。
この場合には症状が改善していることも多いです。

ここの項目については、まとめ記事あります。
https://cekyoblo.com/?p=1650

・ペナンブラとは

ペナンブラとは虚血などによって脳細胞が活動電位を発生させるための機能は保たれていないが、細胞機能は残っており、再灌流を得ることで脳細胞の回復が得られる領域の事を言います。

ペナンブラ領域は虚血によって生じた梗塞部位の周囲に存在しており、時間経過とともに梗塞部位が広がっていき、ペナンブラ領域も梗塞となっていきます。
t-PAも血栓回収療法もこのペナンブラ領域の温存をターゲットにしています。

早期の治療介入によって梗塞部位を抑え、ペナンブラ領域の救出を目指します。
そのため、医師は「早くっ!!」と急ぎます。

早期の再開通を目指し、ペナンブラ領域の救出のために

  1. 来院から15分以内にCTの撮影
  2. 来院から30分以内にt-PAの実施
  3. 来院から60分以内にシースを刺す
  4. 来院から90分以内に再開通

を目指します。
3のシースを指すまでの時間を「Door to Puncture」
4の再開通までの時間を「Door to Recanalization」といいます。

札幌西孝仁会クリニック 脳神経外科 (著)

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