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【今更だけど大事!!】アンカーバルーンテクニックを理解しよう!!

高度狭窄などによってバルーンやステントをデリバリーできない時に使えるテクニックとして「アンカーバルーンテクニック」があります。

バックアップ性のあるガイディングカテーテルやエクステンションカテーテルを使うなどの対処法もありますが、
いずれを使用してもデリバリーが困難の時に使う事があります。

アンカーバルーンテクニックを行うことでより強力なGCのバックアップ力を得られ、その結果病変部に対してのバルーン通過が見込めます。

比較的よく見るテクニックなので抑えておきましょう!!


アンカーは船の碇(錨)を意味しており、船の固定、ここではおそらくGCシステムの固定を意味していると思います。

及川 裕二 (編集)

・前提として同軸性(coaxial)のGCを使用

初めにガイディングカテーテルの選択で冠動脈入口部に対して同軸性(coaxial)を得られるものを選択する必要があります。

アンカーバルーンテクニックを行うとGCが深く入ります。(deep engage)
この時に同軸性がないと冠動脈を傷つけてしまい、穿孔や解離を起こすことがあります。

合併症を起こすことがあるので同軸性に注意します。

アンカーバルーンテクニックを行った時のPCIでは、IVUSやOFDIなどのイメージングを使用した際に冠動脈の入口部を一度確認することをおすすめします。
意図しない合併症が起きていることがあります。

ポイント

同軸性のガイディングカテーテルを使用する
冠動脈損傷に注意する

・一般的なアンカーバルーンテクニック

RCAを例にします。
病変に対してワイヤーは通過したものの、バルーンが通過しない時にアンカーを掛けることを考慮します。


次にアンカーを掛けることのできる枝を選択します。
適度な血管径があるのものを選択し、この時に枝にステントがすでに留置されていれば尚よしです。
ステントが留置されている方が、そこにアンカーを掛けても血管損傷が起きにくいためです。


RCAではCB(円錐枝)やRVB(右室枝)などがアンカーに用いられることがあります。


CBやRVBにワイヤーを通し、適切なバルーン径のバルーンをそこで拡張します。
可能であれば低圧から上げていき、アンカー効果が得られるところまで上げていきます。
バルーンは一般的にはセミコンのものを使用します。


アンカー効果が得られたらGCをdeep engageさせてバックアップ力を得ます。


その状態で病変に対してバルーンやステントの通過をTryします。
アンカーが効いて、GCのバックアップが強くなることでデバイス通過の期待が大きくなります。

ポイント

・適切な径がある枝を選択する
・低圧からアンカー効果が得られる圧まで上げる
・GCを深く挿入してバックアップを得る

・アンカー効果

アンカーバルーンテクニックにおけるアンカー効果について説明します。

拡張されているアンカーバルーンを引くことでGCが深く挿入され、
アンカーバルーンを押すことでGCが冠動脈から抜けようとする動きをします。

こういった押したら他が抜けようとし、引いたら他が入ろうとする作用反作用の動きが見られる状態であるとアンカー効果が得られていることを示します。


注意としてアンカーを掛けている状態ではその血管、枝は虚血になるので注意が必要です。
デフレーションを忘れないように注意してください。

ポイント

・作用反作用の動きが見られるとアンカー効果を得られている
・アンカーバルーンは虚血を誘発するので長時間には注意

・パラレルアンカーテクニック

パラレルアンカーテクニックは枝を用いずに病変よりも遠位部でバルーンを拡張することでアンカー効果を得る方法です。

病変にステントが通らないがバルーンが通過する時に使えるテクニックです。
病変よりも遠位部でアンカーを行い、ステント(やカッティングバルーンなど)を病変部に進めます。


デリバリー困難の時の引き出しの一つとして持っておくといいかもしれません。

しかし、バルーンが通過するならバルーンサイズをエスカレーションすることで対応することが多く、
このテクニックは使うことはほぼほぼないとは思います。。。

・アンカースリッピングテクニック

アンカースリッピングテクニックは jail した枝に対して、セル拡張するためのバルーンを通過させたい時に用いるテクニックです。

セル拡張用のバルーンがステントのセルに引っ掛かり、通過しない時に jail した側枝よりも遠位部でアンカーバルーンを掛けてバックアップ力を強めてセルを通過させたいバルーンの操作性、通過力を上げます。

アンカーを掛けることでステントへの当たり方や角度、セルの開きなどが変わることでより通過させやすくもなります。

・アンカーワイヤーテクニック

変化球になるとは思いますが、バルーンではなくワイヤーでアンカーすることもあります。

複数病変の際に、一か所目にステント留置した時に、
1本ワイヤーをステントと血管壁の間にあえて挟み込んで留置することでそのワイヤーを固定することができます。

そのようにすることでワイヤーがアンカーとなり、GCのバックアップを得られます。

その状態のまま2か所目のステントやバルーン通過で操作性、通過性を強くすることができます。


注意としてはワイヤーがトラップされてしまうので引き抜けなくなってしまう事があります。
ましてや、2つ目のステント留置の前に抜いておかないと2か所でトラップされることになるので尚更抜けなくなります。

要注意です。

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